【図説】雨穴最新「変な家2」のあらすじ・ネタバレ・みどころまとめ

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変な家の続編、「変な家2」ってどんな内容なんだろう

雨穴さんの最新作「変な家2~11の間取り図~」が2023.12月に発売されました。「変な家」の続編であり、内容が気になる方も多いのではないでしょうか。

前作に続いて再び、奇妙な間取りとそこに隠された謎に迫るミステリー小説となっています。

本記事では、作品の概要、あらすじ、内容やみどころを紹介します。

後半、内容を図説しているので頭の整理になると思います。

気になっている方、まだ未読の方は、是非最後までご覧ください。

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「変な家2」とは?

概要

著者雨穴(うけつ)
関連書籍「変な家」、「変な絵」 ※シリーズ累計100万部突破
出版日2023.12.19

白い仮面でちょっと不気味な雨穴さんは、Youtubeに様々な作品を投稿されている、ホラー作家さんです。

関連書籍

変な:2021/7/20発売 (2024年に文庫本も発売)

変な:2022/10/20発売

「変な家2」あらすじ

前作に続き、フリーライターの「筆者」と設計士の「栗原」が謎を解いていくストーリーです。

筆者が、11の資料(11軒の家)について、情報提供を受けています。

それぞれの家の、変な間取りについての詳細や、ストーリが書かれています。

その後、筆者が、栗原に資料の内容について相談し、栗原と推理・考察していく流れになります。 

書籍の帯には「すべての家が最後につながる」とあります。いったい、どのような共通点があり、どのようにつながるのか気になりますね。

みどころ  

前作に続き、今までにない新しい切り口のミステリー小説です。新しいミステリーに出会いたい方には、一度試していただきたい作品です。

11の資料に描かれた奇妙な家は、時代や場所が様々です。しかし、これらが最後に関連付けられ、一つにつながるところが、一番の見どころです。

どの家も、家のどこかに違和感があるものばかりですが、物語の後半になると、少しずつ共通点が見えてきます。一つずつの家の奇妙な部分に注目していくと、より最後が楽しめると思います。

栗原の考察では、ややこじつけ感の強い仮説もあり、モヤっとする部分もありました。

各章の内容まとめ

以下各資料の内容はネタバレを含みます。最後の、真相については記載していません。

資料1 行先のない廊下ー2022年 根岸さんへの取材記録

実家には、行先のない謎の廊下があった。

母には、小さい頃から大通り(家のすぐ横)には出ないように言われていた。自宅建築中、自宅前の大通りで子供が亡くなる事故があったようだ。

その影響で、大通りに面する玄関をやめ、違う場所に玄関を作ったため、謎の廊下が残ったようだ。

家を建てた建築業者に聞くと、母親は、減築で根岸さんの自室だった場所を無くそうとしていたことが判明した。何故なのか。

資料2 闇をはぐくむ家ー2022飯村さんへの取材記録

特殊清掃員をしていた際に、4人家族の家で長男が家族3人を殺害する事件のあった家を清掃したことがあった。住みずらそうな間取りの家だった。

生活に不便な間取りで、プライベートスペースのない家で起きた事件だったので、家の間取りのせいで、闇が深まった可能性があると考えられた。

この家はヒクラハウスという建築会社が量産した家の一つであった。社長のヒクラには良くない噂があった

資料3 林の中の水車小屋ー古い書物からの抜粋

1940年に出版された、古い書物にあった水車小屋の話。

宇季という女性は、林の中で水車小屋を見つけた。中を見ると、外観よりも狭く見え、隠し部屋があるのではと思われた。しかし、建物の入り口を見つけることができなかった。

水車を偶然回した際に壁が動き、壁が移動し、入り口が現れた。人が一人入れるぐらいの窪みが壁にあり、それは外の祠の正面だった。

入り口の仕掛けや、壁の窪みはいったい何のためのものだったのか。

資料4 ネズミ捕りの家ー2022年早坂さんへの取材記録

中学生の時、金持ちの家の子のミツコちゃんと仲良くなり、家にお泊まりすることになった。両親はおらず、祖母と二人、二階の部屋で暮らしていた。建築会社社長の父親が設計した豪邸だった。

ミツコちゃんに早朝に起こされた。トイレに行こうと廊下に出ると、隣室のおばあさんが壁伝いに歩いていた。声をかけるが、手伝わなくて良いと言われるので先にトイレに向かった。その後、階段からおばあさんは転落したようだった。おばあさんは、二日後亡くなったそうだ。

トイレに前には一階につながる階段があるなど、足の悪いおばあさんには不向きな家だった。

資料5 そこにあった事故物件ー2022年平内さんへの取材記録

中古物件を買った後、事故物件マップで確認すると、80年以上前に女性が亡くなっていたことが分かった。ライター(筆者)に相談し、地元の図書館や、昔を知っている方々に何が起こったか聞くことに。

昔、中古物件が建っている周辺の土地を納めていた梓馬家で男女トラブルによる事件があったようだ。

筆者と一緒に中古物件を調べると、奇妙な空間があることがわかった。

編集者の情報で、「昔の紀行文集に、奇妙な水車小屋の話が載っている」とのことだった。この物件は水車小屋を増築して作ったのではという疑惑が持ち上がった

資料6 再生の館ー1994 某月刊誌掲載の記事

1994年某月刊誌に、ある宗教団体に潜入した記事が掲載された。後編は訳があり掲載されなかった。

「再生のつどい」という宗教団体にへの潜入取材の記事だった。教祖は片手片足(左腕、右脚)のない聖母様。不思議な構造の館の中では、皆が横になって寝るという不思議な修行がされていた。

「再生の館」構造図を見て気づいたのは、聖母様の姿を模った建物だった

現在この宗教団体は解体され、建物も壊されているが、謎が多く残っている。

参加者には、建築会社ヒクラハウスの社長も参加していた

資料7 おじさんの家ー少年の日記から抜粋

少年が書いた日記の文章で話が進む。

母親はネグレクトだった。時々「おじさん」の家に連れていかれたが、そこでは美味しいものが食べられるた。家の構造が奇妙で、変な人形が置かれた部屋があった。

ある日、金髪の男と母親が無理矢理おじさんの家から僕を連れ帰り、その後は物置小屋で過ごすこととなった。

そのまま少年は亡くなった。ナルキくんという少年であった。

資料8 部屋を繋ぐ糸電話ー2022笹原さんへの取材記録

昔住んでいた家は、クローン住宅と言われるほど、同じ家が立ち並ぶ住宅街で、間取りがみんな一緒だった。父は、あまりいい父親ではなかったが、寝れない時に糸電話で相手をしてくれていた。

ある日父の様子がおかしく、糸電話が一方的に終わりになった。その後、隣の家が火事になった。和室で、奥さんが焼身自殺を図ったようだ。

火事の後、父は家を出て行き、離婚した。

ある日、思い出の糸電話を父の部屋と渡してみると、たわみができることに気づいた。そのことから、火事の際、「隣の家の和室にいて、父親が放火の犯人ではないか」ということが考えられた。

父は離婚後、違う場所で一軒家に住んでいたが、家を減築していたことがわかった。また、遺品の写真に、(TVニュースでみた)ナルキくんが写っていた。

資料9 殺人現場へ向かう足音ー2022年松江さんへの取材記録

笹原宅の隣の家の、松江さん(火事にあった家の息子)への取材。

松江さんは、自分の父親が犯人だと思っていた。

火災当日、母と普段は仲が悪い父が、二階の母の部屋に行き、その後火事だといい、自分を外へ出した。母親は押し入れの中で見つかった。父親の犯行としか思えないが、真相はわからないままだった。

笹原さん、松江さんのどちらの話が真実なのか。それとも、他に真相があるのか。

資料10 逃げられないアパートー2023年 西春さんへの取材記録

西春さんは現在居酒屋を経営しており、息子の満さんとともに店を切り盛りしている。

昔、水商売をしていたが、店の借金が膨らみ、返済すべく、置棟(おきとう)とよばれる、見張りつきアパートに入れられ、夜の仕事をしていた。

必ず、見張がおり、外に出られなかったが、隣の部屋の子と自分の子を交換することで、外出することができるルールだった。隣人とは仲が良かった。

ある日、隣人と自分の子が出かけた際に、事故に遭い、隣人は右足を切断することになってしまった。元々左腕のない人だった。

その後隣人は、ヒクラという男に気に入られ、置棟から出ていった

以上の話を聴取したが、彼女は何か隠しているという印象を受けた

資料11 一度だけ現れた部屋ー2022年 入間さんへの取材と調査記録

入間は小さいことろ実家に一人でいた時、強烈な眩暈を感じた後に、普段ない所に扉があるのを見つけた。

その部屋は半畳ほどで、部屋の中の箱には、何か恐ろしいものが入っていた。何が入っていたかは覚えていない。その時両親はいなかった。それ以降その部屋を見ることはなかった。

2022年、栗原にその奇妙な体験を相談し、一緒に実家を見てもらうことになった。

部屋がありそうなところを発見したが、扉は開かない。父の自室にあった、強力な磁石を使うことで、開けることが出来た。

その中には、木彫りの小さな人形が入っていた。その人形には左腕と右脚がなかった。

入間は、人形の形が実家の見取り図と似ていることに気づき、昔、両親が何か宗教にのめり込んでいたことを思い出した。

栗原の推理 

・11の資料にある建物の共通点を地理的にみると、中心となる部分にある、「再生の館」が核になると思われた。そして、その館の形に意味があることがわかった。

「再生のつどい」の謎、5つを一つずつ推理していく。

  1. 再生のつどいの修行の眠る行為は、聖母に模した建物の子宮部分で行われており、まさに再生されるという意味だったと思われる。
  2. 教団が信者に売りつけていたのは「家」、「家の改築工事」で、ヒクラハウスと手を組んでWIN-WINの関係を作っていた。
  3. 白い宗教服の男たちが名がテーブルに向かい合っていたのは、改築の相談、見積もりを行うため。
  4. 再生のつどいは、親の罪(不倫)によって生まれた子供のいる親が入団する宗教であった。
  5. 信者はみな自宅を聖母に模した形に改築し、自宅を「再生の館」にしようとしていた。自宅の心臓にあたる部分に、人形を置いてあがめていた。

再生のつどいの教祖がどのようにして誕生したのか推理

・昔、林の中の小屋に捨てられていたところを養父母のに拾われたのは、お絹さんと梓馬の子供ではないか。隠れ育てるための小屋として、水車小屋を建てたのではないか。

・変なくぼみは赤ん坊を隠すためのスペースだったのではないか。だから、穴の正面に鬼子母人の像を立てたのではないか。

ここまでの推理に、「筆者」は何か引っかかり、真相を確かめるために、置き部屋に住んでいた満さんに会い、真相をたしかめることにした。

その真相とは…

関係者により、再生のつどいの設立、聖母様について明かされます。また、再生のつどいのキーマンが他にいたことが判明します。

各資料の関係性を図説

感想

本はやや分厚いですが、読みやすい文章だったので、サクサク読み進めることが出来ました。

書籍の帯には「すべての家が最後につながる」とあったので、注意深く読み進めたが、自力で11の資料を一つにつなげることは、中々できないと思いました。

考察しをする栗原はかなり想像力が豊かな人だと思います。やや、強引な仮説かなとも感じ、モヤっとする部分もありました。

まとめ

各家のエピソードが独立しているように見えますが、最終的にはすべてがつながり、一つの大きな謎が解ける構成になっていました。

  1. 各家の見取り図が載っているので、変な所を探しながら読み進めていくと楽しめます。
  2. 最後に1つにつながる話なので、共通点や関連性を考えながら読み進めると、楽しめます。
  3. 考察場面は仮説が多いですが、本当の真相も明かされるので安心です。

最後の真相を知りたい方は、是非、本を読んでみてください。

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